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 ありふれた日常の中で、小さな発見や、ささやかな喜び、そして悲しみを言葉にすることで、 明日への元気になるような日記が書けたらいいなぁ・・・
今では夢の中のようだったと思う3日間
2019年03月30日 (土) | 編集 |
母が亡くなった日のことは
もう四十九日も終えた今思い出すと
夢の中のような出来事だったような気がする

その日に限って携帯を近くに置いていなかったため
何度か施設から連絡をもらっていたことに
まったく気が付かなくて
家の固定電話が鳴って
それが施設からの電話だとナンバーディスプレイの表示を見てわかって
慌ててかけなおしたときには
「今ほど(だったか、先ほどだったか記憶が曖昧だけど)
 息を引き取られました」と

顔見知りの看護師さんの
おそらくは私の心情を気遣ってくださっているであろう
申し訳なさそうな声が聞こえ
一瞬頭が真っ白になった

その電話を受けるまで
私はこの肺炎は治ると、信じて疑わなかったので

この数年間、いろんな段階で何度も覚悟はしてきていたし
この先そう母が長くは生きてはいられないのはわかっていても
今回の肺炎で死んでしまうとは微塵も思っていなかったので
青天の霹靂ほどの驚愕だった

施設に飛んで行ったとき
母はまだ温かかった

夫や息子たち(この時は長男と末っ子がいて)と
粛々と必要な連絡を取ったり
今後の葬儀に向けての用意を進めながら

私は
お世話になった施設の看護師さんと一緒に
母の体を拭き
去年の春お花見に行った時の洋服に着替え
顔にクリームを塗り
ポツポツと母のことを話しながら
穏やかに最後の時間を過ごした

母の顔は
肺炎になってからは苦しそうな表情だったのに
とてもとても優しく
まるで微笑んでいるかのように見えた

昨年亡くなった母の妹である叔母さんが
穏やかな死に顔ではあったものの
長く寝たきりだった人特有の
口を大きく開いた状態だったのが印象に強かったので

母の口が開いているのだけが気になって
そんな話をしたところ
リハビリのC先生と職員の方々で
タオルを優しくあごの下に挟んだり工夫して
上手に口を閉じてくださったので

ますます母の顔は穏やかに微笑んでいるようになった

母を運ぶために来てくださった葬儀社の運転手さんが
「他の施設や病院と雰囲気が全然違いますね
 すごくみなさん暖かいですね」と仰って下さるほど
職員の方々に暖かく見送っていただき

実家だった場所に長男が建て替えた家に
母を連れて帰った

自宅を離れて施設にお世話になって、7年以上が経ち
家族葬という選択肢もあったけれど
母は昔ながらの極めて真面目な人だったので
ごく普通のお葬式をしようと決めていた

想像していた以上にたくさんの方が
母のお通夜・葬儀に足を運んで見送ってくださり
本当にありがたかった


火葬場で

今思い出しても
まるで絵本の中の1シーンのように
胸に残るエピソードがある

5歳のマゴのNちゃんが

火葬炉の中母の台車が運ばれ、扉が閉まった時に
そのあとに続こうとして
「ここから先は入れないんだよ
 これでひいばあちゃんとお別れやよ」と
パパである長男が言うと

「ひいばあちゃん、どこへ行ったの?」 と、可愛い声で訊き

「ひいばあちゃんはお空に行ったんやよ」

「この扉の向こうはお空なの?」


20年以上前に亡くなった父は
会うことができなかった この可愛いひ孫たちに
母は会うことができて良かったと
胸がいっぱいになった


それから
火葬が終わり
親族みんなでお骨拾いをしたとき

まだ熱いお骨を長い箸で拾って骨壺に入れる儀式を
興味深そうに見ていたマゴの5歳のNちゃんと4歳のYくんは
無邪気にやってみたそうにしていた

火葬場の係の方が
「やってみる?」と
火傷しないように子供たちに安全なように気を配りつつ
二人にも骨拾いをさせてくださった

いつもなら大はしゃぎして遊んでいるNちゃんとYくんは
ちゃんと周りの親族の様子を見ていて
とても神妙に真剣に、でもちょっと楽しそうに
上手に骨拾いをしていた

2巡して、みんなが2度ずつ骨拾いをしたあと
最後に
「では喪主様が喉ぼとけをこちらに」と
小さな骨壺に入れるように促され
私が最後の喉ぼとけを壺に収めると

Nちゃんが隣にやってきて、小さな可愛い声で
「あーちゃんだけズルイ。もう一回できて」
と、これまた無邪気に可愛く言うので

「あーちゃんは特別なの
 ひいばあちゃんは、あーちゃんのお母さんだからね」
と、私が答えると

横で聞いていた4歳のYくんが
「ママのお母さんは富山にいるんだよ。〇〇歳だよ」と
これまた無邪気な
本当に罪のない可愛い声で言うので
その場にいた親族みんなが笑顔になった

NちゃんYくんの天使のような二人の
無垢な可愛さのおかげで

母の葬儀の3日間のことは
今では私の中で絵本のように夢の中のように
暖かい気持ちで思い出せる別れの日となった


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